ニッポンの社長、虎視眈々と狙うKOCの頂…3年連続決勝に「プレッシャーあった」【キングオブコント直前⑤】

コント日本一を決める『キングオブコント2022』(TBS系)が、10月8日(土)に放送されます。厳しい予選を勝ち抜き、ファイナリストになったのは10組。今回は、3年連続の決勝進出を決めたニッポンの社長(辻、ケツ)のインタビューをお届けします。

出典: FANY マガジン
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今年もダウンタウンがMCを務める『お笑いの日』内でフィナーレを飾る同大会。決勝に勝ち上がったのは、いぬ/かが屋/クロコップ/コットン/最高の人間/ニッポンの社長/ネルソンズ/ビスケットブラザーズ/や団/ロングコートダディ(※50音順)の面々です。

果たして、最後に栄冠を勝ち取るのはいったい誰なのか――ファイナリストたちの熱い思いを連続インタビューでお届けします。

春先からピリピリムード!?

ーー3年連続の決勝進出です。お気持ちを聞かせてください。

 今年でいうと全然違うのが、まずは決勝にいかなアカン(という思いがあった)。今までは決勝決まったら「よっしゃー!」と喜んでいましたけど、今回は予選のときから“とりあえず決勝に!”という気持ちで……。ほかの組が予選でウケたと聞いたら“大丈夫かな”と毎回グッと締めつけられていました。よく言えば(高校野球の)大阪桐蔭みたいな感じですね。甲子園いってから勝負みたいな。

ケツ (笑)。「今年はニッポンの社長アカンかったんや」って思われたくないんでね。

 予選で落ちたら露骨に仕事も減るやろうし、その界隈のファンからしたら過去の人にもなるやろうし、プレッシャーはありましたね。

ーー決勝に出るために努力したことは?

 (徳を積むため)落ちてるゴミ拾うとか。

ケツ 神様は見てくれているからね(笑)。

 ネタのボケは、まだまだのときから入れ替えたり、同じ形でやらへんかったり、反応悪いヤツは変えるとか、周りより2本に絞るのはだいぶ早かったと思います。

ケツ 細かいところでも微調整したり、新しいボケを試したりするのはいっぱいやってきたつもりです……ただ僕はそれを1回も考えたことないんですけどね。

 今年の2、3月くらいから緊張していましたね。ピリピリしてました。

ケツ 早っ!

 僕らはその時期から仕上げんと間に合わへんかなって。

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ーーネタがパワーアップしたと思うところは?

 一昨年から気をつけているのは、コアなファン層以外のこと。いちげんさんにもウケるネタをやろうとは意識していました。ただ、それを選んで2020、2021年に負けたので、もっと(視野を)広げなアカンねやって思いましたね。“ライブに来たことがないような人も笑わさなアカン”と思ったんで、(寄席に馴染みのない人が多い)名古屋で(本ネタを)試したんですけど、地方のスタッフさんは音響や照明が慣れていないから、僕らだけリハを1時間やってました。

ケツ 大袈裟じゃなくてほんまにやってました(笑)。

ーーそんな中で、決勝進出を聞いたときの反応はどんな感じだったんですか?

 僕、過去2年は泣いちゃったんですけど、今年は手応えもめちゃくちゃあったんで「よかった~」と。絶対にいけたと思っているけど、やっぱり“怖いな〜”という感情でした。“いけるかな?”というより“頼むで!”という気持ちでホッとしました。

ケツ 年々“よかった〜”という気持ちが強くなっていますね。

 こいつはずっと一緒ですよ。1年目からボーッとしてる(笑)。全然喜んでくれなくて、僕がそれを毎年指摘してるからか、今年は(喜ぶ)演技をしてましたね。

ーー(笑)。

ケツ (喜びを)大きく見せた方がいいかなと思って。

ーー絶対に負けたくないファイナリストは?

 ビスケットブラザーズですね。大阪の芸人だったらわかると思うんですけど、原田(泰雅)が結果出すとめんどくさいんですよ。(2019年に)初めて『キングオブコント』決勝にいったときも、褒めてほしすぎて、劇場に9回来て、9回帰ってました。

賞金1000万円に興味なし?

ーー過去、大会前に取材させていただいたとき「自信がある」とおっしゃっていましたが、今大会はいかがですか?

 毎年、めちゃくちゃ自信あるんで、終わったあとも自信を持っちゃうタイプなんですよね。一番オモロかったやろって(笑)。もちろん、経験を積んでいるんで(年々)自信はあがってます。

ただ、始まってみないと、どんな空気の大会か分からない。(審査員が変わるなど)2020年と2021年大会が違いすぎて、もし(披露した)ネタが逆やったらと思っちゃうくらいです。今年の空気はどうか? ギャンブル要素もあるし、自信もありますけど、100%優勝できるネタなんてないと思うし……。ただ、過去2年よりは%(パーセンテージ)が上がっているとは思います。

ケツ 昨年、いろんなパターンを想定して優勝すると思っていたんですけど、優勝しなかったので、“あ、優勝すると思ってもせんことってあるんや”と思いました。今年はそうしたことも踏まえて戦えるなって。ネタは自信持ってやれるし、いい状態でやれるなと思います。

ーー過去2年、大会を通して楽しさを感じたところは?

 全国の方にネタを観てもらえるというのが一番です。みんなが注目している『お笑いの日』の最後で、(お笑い好きじゃない人も)ふらっと観ているじゃないですか。それを笑わせられたらなと思うし、そこから反響があったら気持ちいい。もちろん芸人は全員観ているくらいの大会なので、すごい場所やなと。

ケツ 明らかに超晴れ舞台でワクワク感はあります。(視聴者として)観ていた方から、大会に出させてもらう方になる、というのは“芸人をやっている実感”があるというか。ただ、始まったら一瞬。1年目は全国で流れる賞レースということにピンときてなくて、緊張しないまま臨んだんですけど、去年は実感わきながらやっていました。

 (決勝)3年目やし優勝狙うには、いったんラストになっちゃいそうな気がして怖いです。(2021年大会王者の)空気階段も3年目やったし、(2020年大会王者の)ジャルジャルさんみたいに、(過去にファイナリストになったあと)何年か空けて優勝するパターンもあると思うんですけど、(優勝できなかったら来年以降)予選に出ても“こいつら優勝せーへんやんけ”って厳しい目で見られそうな気がします。

出典: FANY マガジン
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ーー賞金の使い道は?

辻 僕らはコントが好きで出ているだけなので、ほかの連中みたいにお金のことは考えてないですね。

ケツ 一緒にはされたくないですね。

ーー(笑)。

 みんな目が「$」になってるんですよ。僕らの目はコントの「C」になっているんで。

ケツ 1000万円以上の価値がその称号にあるし、それを目指してやってきているだけなんでね。

 使う気ないもんな。(使うとしても)毎日刺身食うとかですかね。スタッフさんとか劇場に何か買うとか……世話になっている居酒屋にテーブル置くとか?

ケツ カラオケとかね。

 その店ガラ悪くならへん?

ーー(笑)。


※本記事は、決勝発表直後に収録した『ザ・ベストワン』の内容も含まれています。

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