結成16年以上の芸人たちが激突する、まったく新しいお笑い賞レース『THE SECOND～漫才トーナメント～』。エントリーした133組のなかから激戦を勝ち抜いた精鋭8組が、来たる5月20日（土）、最終決戦となる「グランプリファイナル」に臨みます。その決勝メンバーから今回は、オズワルドやニューヨーク、ダイヤモンドなどの若手漫才師を牽引してきた東京吉本を代表する実力派であり、大宮セブンメンバーでもある囲碁将棋（文田大介、根建太一）のインタビューをお届けします！
「グランプリファイナル」は、5月20日（土）19:00から司会に東野幸治を迎えてフジテレビ系で完全生放送。大会アンバサダーにダウンタウン・松本人志が就任したことも話題になりました。決勝の組み合わせは、第1試合：金属バット×マシンガンズ、第2試合：スピードワゴン×三四郎、第3試合：ギャロップ×テンダラー、第4試合：超新塾×囲碁将棋で、初代グランプリを目指してトーナメント戦を繰り広げます。
開催が決まって1番に参加表明
――グランプリファイナル進出おめでとうございます！ 決勝を控える現在の心境を聞かせてください。
文田 いままで出た賞レースの決勝よりは緊張してないというか。今日、これから決勝でも全然いいよねって感じ。余裕っす！
根建 マジでそう。歳を重ねて欲がなくなったんでしょうね。
文田 それに東京吉本で（グランプリファイナルに）残ってるのって僕らだけじゃないですか。実質、もうひと仕事終えてるなって。
根建 チェックメイト？
文田 うん。だからここから先はおまけで、優勝できたらラッキーくらいです。
――『THE SECOND』開催が発表されてすぐ、エントリーを決意したんですか？
文田 これ、絶対に書いてほしいんですけど、発表されて1番にTwitterで「絶対に出ます」って宣言したのは僕です。10分以内に呟きました。
――根建さんに相談せず？
文田 相談する必要なかったんで。
根建 まぁ、「なんでだよ！」って言うわけないもんな（笑）。ただ、僕は（文田のツイートを見て）出るんかいって。出るだろうなとは思ってましたけど、（表明するのが）早いなとも思いました。まぁ、参加しないわけにはいかないですからね。
文田 お客さんが「いや、囲碁将棋は賞レースに出なくていいです」っていう空気だったら出ないですけどね。選挙で選ばれた人くらいの気持ちっていうか、望まれるならば出ますよね。
根建 はい、だから有権者代表です。
文田が涙した理由とは
――予選からの戦いぶりを振り返ってみていかがですか？
文田 上がるべくして上がったと言えるくらい、予選の最初からちゃんとウケました。あと、今回のルール（6分ネタ、観客が審査員など）が僕らに合っていた。力100％だとしたら、120%くらいの点数が出るような雰囲気の中でできたかなと。
対戦形式になってからのシャンプー（ハット）さんとの戦いだけ、勝つか負けるかわからなかったですけどね。なにより、どの会場のお客さんもとにかく笑おうっていう気概のある方ばかりで。一緒にブチ上がろうっていう気持ちで観てくれてたんでしょうね。
根建 気持ちよくネタをして帰ってほしいって思ってくれてそうだったというかね。
文田 “この大会が100年先も続きますように”みたいな、一青窈のハナミズキ感めっちゃあるお客さんでありがたかったです。
――シャンプーハットさんとの対戦後、涙を流した文田さんの姿が印象的でしたが。
文田 あれは気まずさとか嬉しさとか……。
根建 いろんな感情があったよね？
文田 尊敬してない人はいないんじゃないかっていうくらいのすごい漫才師ですから。シャンプーさんは、僕のなかで当たりたくない人たちベスト3に入ってたので、対戦相手に決まったときは本当にイヤでした。
根建 単純に吉本同士で当たりたくなかったっていう気持ちもありましたし。
文田 そのへん極真空手と一緒だよね？ 他流派にはやられたくないし、同門でも外国人勢には負けちゃならないっていう。
根建 いや、極真空手のことはわからないのよ（笑）。
“後の3巡を買って”勝ちたい
――『M-1』のときはその年にできたいちばんいいネタで勝負していましたが、今回、ネタ選びでそういったルールは？
根建 そういうのはなかったよな？
文田 そうだね。予選でやったネタは昨年末の単独で出したネタで、僕はそれができればいいと思っていて。だから、いままで作ってきたなかで面白いネタをっていうわけでもなく、その2本をもとにその日のお客さんを見て決めたので、DJみたいな感覚でやってました。そのへん、大人になったのかなと。M-1のときはお客さんと審査員をカマしてやろうと思ってましたから。
根建 マジでカマそうってことしか考えてなかったかもしれないです。
文田 パチンコのネタとかDragon Ashのネタをやってたのも、そういう設定のネタをやってる人はいないだろっていうのでやってたんです。だから、“これが俺たちだ！”って旗だけ立てて予選で落ちてた感じというか。準決勝まで何度か行きましたけど、決勝に行けるかもって思ったのは2回くらいしかなかった。けど、今回は完全に決勝へ上りにいきました。
――なにか心境の変化があったということですか？
文田 昨年のM-1を家で見てたとき、小学校1年生の娘に「パパ、これに出ないの？」って挑発されて。
根建 いや、挑発ではないだろ（笑）。
文田 だったら出てやろうかなって。あと、ここ数年、M-1の決勝に僕らのバッヂをつけてる芸人――昨年だったらダイヤモンドとオズワルド――が毎年にように出てるんですよ。それで自分たちが決勝に出てる感覚がちょっとあったし、だったら自分たちの力で決勝まで上がっていきたいなという思いもありました。
根建 ……いまふと思ったんですけど、僕、『アカギ ～闇に降り立った天才～』っていうマンガの「後の3巡を買う」っていう言葉がすごく好きなんですよ。本当はリーチしてたけれど、してないことにしたアカギがあえてバップっていう罰金を払うんです。その行為に相手が混乱してアカギは8000点を失うんですけど、その後の3巡で失った点数を回収するんです。
いま、そんな気持ちっていうか。M-1でみっともないくらい完膚なきまでに負けたのが……頑張ったけど決勝に行けなかったこととかが、今回、優勝できたら“後の3巡を買った”ことになれるんじゃないかなと思ってます。
文田 本当にその通りだわ。僕ら、2014年の『THE MANZAI』で予選2位通過したのに、決勝でヘンな負け方したんですよ。
――生理現象にまつわる嫌悪感を笑いとしたネタでしたが、下ネタと捉えられてバッシングされましたよね。文田さんは当時、「予選2位で決勝に行けたから決勝でもやった」と説明していた印象があります。
文田 あのネタを（決勝で）やるかどうかは、当時の僕らなりに迷ったんです。で、10年後の自分ならやれよって言うだろうなと思って決勝でもやったんですけど炎上して。
根建 あ、ちょうど10年後くらいじゃん。
文田 そうなんだよ。あのとき、もしあのネタをやらなくて、“あぁ、やればよかったな”ってずっと思ったら、今回の決勝であのネタやってただろうし、いらない炎上をいましてたと思うんですよ。
根建 それ、マジでいらねぇわ。
文田 けど、あのときに決勝でやってネタが弾みもしなかったからこそ、こういういまがあるんだろうなとも思いますね。
「優勝」を公言する理由
――これまで賞レースにそこまでこだわっているようには見えなかったおふたりが、今回は“優勝する”と口に出している理由は？
文田 いままでは「決勝に行っても、あんまりいい結果にはならないと思います」とかリアルな分析をぶつけることがサービスだと思ってたんです。僕としてはボケで言ってるところもあるんですけど（笑）、「ぜったい優勝できるっしょ」って言ったほうが、有権者が喜んでくれることがわかって、もっと早く言っとけばよかったなって思いました。あと、今回は本当に“イケるっしょ！”っていう感覚がいままでに増してあるので。
根建 優勝するチャンスがあるって、嬉しいですよね。
文田 まぁ、負けても優勝に近い価値が出るネタを準備した感覚もあるので、いけるんじゃないかな。2023年は“損しない”をテーマにしていて、ネタについてはクソおもんないじゃんって思われる要素はぜんぶ省いたのでヘンに尖ってないし……って、本番で噛みまくったらすみません！
――楽しみにしています！ 6月11日（日）には『マイクの達人2023 ～漫才トーナメントを戦い抜いた実力派漫才師が上本町に大集合！～』というライブも開催されますね。
文田 これ、楽しみですよね。
根建 すごいメンバーですし、『THE SECOND』も終わっているので、リラックスした状態の漫才が見られると思います。俺らももしかしたらネタの前に1つや2つ、ゆるいくだりも入れたりして。
文田 いや、ほかの賞レースの情報を掴んでるんじゃないかっていうくらいギッチギチにやろう。
根建 なんでだよ（笑）。まぁ、『THE SECOND』決勝で起きた現象がネタに入ってくることもありそうですよね。
文田 「やめろよ！ それ、決勝でスベっただろ」とか？
根建 そう。「審査員に言われただろ」とかめっちゃありそう。マジで『THE SECOND』の打ち上げ的なライブになると思うんで、ぜひ来てほしいですね。
――では、最後にグランプリファイナルへ向けた意気込みを改めてお願いします。
文田 優勝するつもりです！ あと、ネタはウケてたけど平場が激弱じゃん！って思われたくないので平場も頑張ります！ あと、超新塾さんのバイクには勝っても負けても乗せてもらいたいと思ってます。
根建 いや、乗れねぇから（笑）。僕は楽しめないと意味がないと思ってるので、とにかく決勝を楽しみたいですね。
『THE SECOND〜漫才トーナメント〜』公式サイトはこちらから。
公演概要
■「THE SECOND LIVE ～同争会～」
日時：6月8日（木）開場18:00 開演19:00 終演21:00（予定）
会場：日本青年館ホール
出演者：テンダラー／シャンプーハット／マシンガンズ／ギャロップ／かもめんたる／囲碁将棋／ガクテンソク／ラフ次元／ランジャタイ
チケット：前売5,000円 当日5,500円
チケット一般発売：5月21日（日）～
※配信はございません
詳細はこちらから。
■「マイクの達人2023 ～漫才トーナメントを戦い抜いた実力派漫才師が上本町に大集合！～」
日時：6月11日（日） 開場15:00 開演16:00
会場：大阪国際交流センター 大ホール
出演：金属バット／ラフ次元／インポッシブル／Dr.ハインリッヒ／囲碁将棋／スリムクラブ／モンスターエンジン／スーパーマラドーナ／ギャロップ／テンダラー／COWCOW
≪MC≫浅越ゴエ
チケット：前売・当日4,000円
