漫才師の頂点を決める『M-1グランプリ2025』の開催発表記者会見が6月25日(水)、東京・渋谷よしもと漫才劇場で行われました。8月から始まる予選に先立って、この日から出場者のエントリーもスタート。2024年に2連覇を果たした令和ロマン(髙比良くるま、松井ケムリ)をはじめ、準優勝のバッテリィズ(エース、寺家)ら昨年ファイナリストが次々と登壇し、今年決勝進出が期待される芸人たちとともに会場を盛り上げました。

予選1回戦は愛媛も加えた全10会場
今年で21回目の開催となる『M-1グランプリ』。8月1日(金)に始まる予選1回戦は、今回の大会から新たに愛媛も加えた全10会場で開催します。昨年の準決勝進出者は例年通り2回戦からの出場です。
また、例年に引き続き「ナイスアマチュア賞」「ベストアマチュア賞」が設けられるほか、パワーアップした「ナイスキッズ賞」は人気コミック雑誌『コロコロコミック』とのコラボが決定。1回戦全日程を通じて「小学生以下のメンバーのみで構成された組」の中から特に印象に残った子ども漫才師たちに、大人気ギャグ漫画『絶体絶命でんぢゃらすじーさん』の作者・曽田一寿直筆の似顔絵イラスト認定証が贈られます。
昨年まで1組2,000円だったエントリー費は、今大会から1人1,000円に変更。エントリーシールのデザインを、お札やパスポートを製造する国立印刷局が手がけることも発表されました。

この日のMCを務めたのは、麒麟・川島明とABCの東留伽アナウンサー。会見には2023年、2024年と連覇を達成した令和ロマンほか、昨年のファイナリストのバッテリィズ、真空ジェシカ(ガク、川北茂澄)、エバース(佐々木隆史、町田和樹)、ヤーレンズ(楢原真樹、出井隼之介)、マユリカ(阪本、中谷)、ジョックロック(福本ユウショウ、ゆうじろー)、ママタルト(檜原洋平、大鶴肥満)、今大会の決勝進出が期待されるちょんまげラーメン(田渕章裕、きむ)、金魚番長(箕輪智征、古市勇介)、豪快キャプテン(べーやん、山下ギャンブルゴリラ)、例えば炎(タキノルイ、田上)、スタミナパン(麻婆、トシダタカヒデ)が出席しました。
連覇の令和ロマンはトロフィーの文字にガッカリ
まずは連覇を果たした令和ロマンが登場。昨年のこの会見で、優勝トロフィーの裏に刻まれる文字について、「(2年連続で)優勝して史上初のちょんちょん(繰り返し符号の「〃」)が見たい」と意気込んでいたくるま。
MC台に置かれたトロフィーを確認しますが、裏にはしっかりと2年分並んで「令和ロマン」の文字が。「“ちょんちょん”になってねぇじゃねぇかよ!」とガッカリするくるまに、ケムリは笑いながら「しねぇだろ、さすがに」とツッコみました。

昨年の大会で準優勝と大躍進を遂げたのがバッテリィズ。エースは、川島に「『(熱血硬派)くにおくん』の世界でしか見たことない」と自身の衣装についてツッコまれるとニッコリします。
昨年の大会後に10社と広告契約、給料は180倍になったことが明かされると、エースは「M-1様様。最高です」と感謝。ただ、今年もエントリーするかについては迷っているそうで、寺家は「まだ7年出られるので、もう1回作り上げて出るのもありなんかなって」と説明します。
忙しくなったことで「ネタも税金にキレるとかになってきた」と話しますが、エースは「(エントリーの始まる)8月までに肩から顔が生えてくるとか、とんでもなく面白いことが起きるかもしれないので」と参加の可能性も示しました。

昨年は『NHK新人お笑い大賞』で優勝するなど、ほかの賞レースでも大活躍だったエバース。佐々木は「芸能人として町田も箔がついたのかわからないですけど、東北楽天ゴールデンイーグルスの始球式に呼んでもらったとき、野球にまったく興味がないのに、浅村栄斗選手に『2,000本安打おめでとうございます』って話しかけてました」と、相方の行動を報告。周囲が驚くなか、町田は「すごいことなんでしょ? うれしいんで言いますよ」と飄々と返します。

マユリカは優勝した場合の公約を聞かれ、阪本が「子どもが生まれましたので、(賞金の半分の)500万円を最速で触った子どもにしたい」と宣言しました。
昨年の決勝から生活が激変したというのは、ジョックロック。決勝で「僕がもっと面白くなります」と断言したゆうじろーが「かなりのギャグができあがっております」と自信たっぷりに見せた「テンパリすぎた警察」は、思いのほか不発に。福本は「開催を延期してくれー!」と絶叫しました。


登場後、バレーのレシーブで決めポーズしたママタルト。大鶴のピンク色の衣装もあいまって、川島は「バボちゃんみたい」とバレーボールのマスコットキャラクターにたとえて笑わせます。
ヤーレンズは昨年の決勝で披露したおにぎり店のネタで、日本おにぎり協会から表彰されたことを報告しました。
登壇早々、金髪のカツラを客席のマスコミ席に投げ込んだのは真空ジェシカ。舞台をはける間際、カメラマンがそのカツラを投げ返したところから、真空ジェシカと報道陣による白熱したカツラのパス回しが繰り広げられました。



ちょんまげラーメンの改名は「伏線回収」!?
そして後半。今年の決勝進出が期待される5組が登場しました。
「インディアンス」から改名して、初めてマスコミの前に登場したちょんまげラーメンは、今大会がM-1ラストイヤー。ラストイヤーを「ラストオーダー」に言い換えたりとラーメンにちなんだボケを多用する田渕に、川島は「こんなこと言うのはあれやけど、明るいだけ!」と笑いながら指摘します。

8月には改名後初の単独ライブも控えていますが、前回の単独のタイトルが『笑っチャイナ』、その前が『来てチョンマゲ』だったことが判明。自分たちのことながら、田渕は「改名で伏線回収してる!」と驚きを隠せない様子でした。
6月29日(日)に生放送される『ABCお笑いグランプリ』で2回目の決勝進出を果たしている金魚番長。箕輪の「最近、占いにハマってまして、正直、優勝はもう(占いで)出てる」という言葉から始まった体を使ったルーレットは、相方・古市を巻き込んで微妙な空気に。にもかかわらず、スタミナパン、例えば炎は自ら率先してルーレットを披露して、いずれも不発に終わってしまいます。

そんななか、ルーレットで笑いを取ったのは豪快キャプテン。べーやんが、ラグビーのニュージーランド代表が試合前に見せる「ハカ」にちなんで、マイムしながら「こんにちは、ハカちゃん」と言い切ると拍手笑いが起きました。
川島は「初めて(記者会見を)見た人がびっくりしているかもしれないですけど、(仕上がる前の)6月の芸人はこんなもんです」と、謎の角度から若手たちを優しくフォローしていました。

『M-1グランプリ2025』公式サイト(https://www.m-1gp.com/)