“史上初”M-1連覇の令和ロマンが喜び爆発! くるま「来年は出ないけれど、まだ8年あるので…」ケムリ「僕は出たくないです」

記念すべき20回目のM-1王者となったのは、昨年王者の令和ロマン(髙比良くるま、松井ケムリ)でした。12月22日(日)に開催された『M-1グランプリ2024』(ABCテレビ・テレビ朝日系)の決勝で、史上最多のエントリー数となる10,330組の頂点、そして史上初の連覇という偉業を達成した2人は、生放送終了後に開かれた優勝会見で、安堵と歓喜と充実感に満ちた表情を浮かべながら戦況を冷静に、かつ熱く振り返りました。

出典: FANY マガジン
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「チャンピオンとして過ごした1年で厚みが出た」

2年連続でトップバッターから優勝という、とんでもない偉業を成し遂げた2人。優勝会見に登場したくるまが、「昨年優勝したことによって、今年はさらにいいネタをしなきゃな、と。さらに高めることになりました」と話すと、松井も「M-1チャンピオンとして1年間過ごさせてもらって、大きな舞台もたくさん経験したことが漫才師としての厚みにつながったんじゃないかなと思います」とうなずきました。

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説得力のある分析や考察に注目が集まるくるまですが、今年の決勝はなるべく分析せずに挑んだといいます。

「(優勝の翌年も参加して決勝進出した)NON STYLEさんとかのデータがありますけど、2015年以降は環境がまた違うから、小手先のことを考えるより、自分たちを高めるほうが勝率が高いと判断しました。それも分析といえばそうなのかもしれないですけど、とにかく劇場で受ける面白いネタをちゃんとやりました」

今回の大会のファイナリストは、優勝した令和ロマンほか、ママタルト(大鶴肥満、檜原洋平)、ジョックロック(福本ユウシュウ、ゆうじろー)、真空ジェシカ(ガク、川北茂澄)、エバース(佐々木隆史、町田和樹)、トム・ブラウン(布川ひろき、みちお)、ダイタク(吉本大、吉本拓)、ヤーレンズ(楢原真樹、出井隼之介)、バッテリィズ(エース、寺家)の9組に加えて、当日15:00から行われた敗者復活戦での死闘を制したマユリカ(阪本、中谷)の計10組。

決勝戦のMCは例年と同じく、今田耕司と上戸彩が担当。審査員は海原ともこ(海原やすよ・ともこ)、哲夫(笑い飯)、博多大吉(博多華丸・大吉)、塙宣之(ナイツ)、礼二(中川家)、そして新たに加わった石田明(NON STYLE)、柴田英嗣(アンタッチャブル)、山内健司(かまいたち)、若林正恭(オードリー)の計9人が務めました。

出番順は例年同様、その場で絵神籤(えみくじ)を引いて決定。夏のパリ五輪で日本代表選手として活躍した柔道の阿部一二三選手、卓球の早田ひな選手、体操の萱和磨選手がそれぞれ引いて、ファーストラウンドの得点は下記の通りとなりました。

【1】令和ロマン・・・・・・850点
【2】ヤーレンズ・・・・・・825点
【3】真空ジェシカ・・・・・849点
【4】マユリカ・・・・・・・820点
【5】ダイタク・・・・・・・820点
【6】ジョックロック・・・・819点
【7】バッテリィズ・・・・・861点
【8】ママタルト・・・・・・812点
【9】エバース・・・・・・・848点
【10】トム・ブラウン・・・ 823点
(出番順)

この結果、上位3組のバッテリィズ、令和ロマン、真空ジェシカが最終決戦へ進み、9票の審査員票のうち5票を獲得した令和ロマンが、記念すべき20回目の優勝を手にしました。

優勝が決まった瞬間、2人とも力強くガッツポーズ! 目を閉じて天を仰いだくるまは、拳を前に突き出した相方・ケムリのほうに笑顔を見せると、トントンと優しく背中を叩いて相方を称え、「うわぁ!」と一息。「去年の倍嬉しいです。あぁ、嬉しい!」と髪をかきあげたくるまに対して、ケムリは「悔いなくやれました。もう出たくないです!」ときっぱり言い切って笑わせました。

「いや、本っ当~に嬉しいもんですなっ!」

大会終了後、会見場へ颯爽と現れた2人。大きな拍手で迎えられて着席したくるまは、優勝の感想を聞かれて、「昨年もやったなぁ、と。まったく同じ景色だなと思いました」と飄々とボケながら、「いや、本っ当~に嬉しいもんですなっ!」と素直な気持ちを語ります。

出典: FANY マガジン
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「最終決戦3組が終わった時点で優勝くらい嬉しかったんです。できたー! いいM-1だったなってめっちゃ思っちゃって。結果発表のときもセットとか見ながらよかったなって思ったんで、プラスアルファでご褒美をもらったって感じですね」

一方のケムリは「僕、歴史に名を残すの好きなんで、めちゃくちゃ嬉しいです」と喜びもひとしお。昨年の優勝後から今回の大会エントリーについて、「出たくない」と言い続けてきたというケムリは、「今年、優勝できなかった場合、なんで出たんだろうっていう(笑)」と本音を見せながら、「優勝できてよかった。最終決戦3組がめちゃくちゃ盛り上がったなかで勝てたのが嬉しかったですね」と語りました。

2年連続トップバッターは「さすがに終わった、と」

状況によってさまざまなネタを想定していた昨年に比べて、今年は決勝で披露した2本のみで勝負。「まさか(出番が)2年連続で1番だと思ってなかった」というくるまが、「さすがに終わったと思いましたよ。2年連続で優勝するより、2年連続でトップバッターから最終決戦に行くほうがムズそうじゃないですか。意味わかんない」と話すように、2人にとっても思いもよらない展開でした。

出典: FANY マガジン
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また、1本目のネタの冒頭で「終わらせましょう」と切り出したことが話題になっていますが、くるまは「あれは準決勝のつかみで、本番の直前にこのスーツを着てみたら肩上がりすぎてるなと気づいて、処理しなきゃなと思って言ったことで。決勝ではギリギリまで迷ってたんですけど、出て行って、しんとなったから言わなきゃと思って」と明かすと、松井も「僕、言わないと思ってましたもん」と相づち。くるまは「ツッコんでくれ!」と思いながら口にした言葉だったそうで、さすがのコンビネーションで観客の心を一気につかみました。

くるま「説明ができないです、この感情を」

優勝決定後、高揚感と達成感がにじみ出るような表情を浮かべたくるま。記者から「涙を浮べているように見えたが、実際、泣いていましたか?」と聞かれると、「え、わかんないです。記憶ないんですよね、あのとき」と答えながら、「感情が超たかぶりました。よっしゃーっていうか、なんなんですかね? ジャンルで言ったら喜びだと思うんですけど、説明ができないです、この感情を」と戸惑いながら振り返りました。

一方、ケムリは「泣いてはないんですけど、終わったーって感じが。昨年、優勝した時点で出ないと思っていたので、気持ち的には浪人が終わったみたいな感じ。いろんなサークルとか入ろうと思います」と笑みを浮かべます。また、昨年の優勝賞金はすべてくるまに渡しただけに、「今年は僕がいただけるということで、なんとかトントンにできました。大損するところでした」と安堵の表情を見せました。

史上初の連覇について、「マジで誰ももうしないんじゃないですか? できないとかじゃなくて、面倒くさいから」と語ったくるまですが、今後についてこう言います。

「来年は出ないですけど、ラストイヤーまで8年あるので、いつ出てくるんだろうっていう恐怖で市民を怯えあがらせたい。M-1が盛り上がらなくなったら、また出るぞっていう」

その言葉に「抑止力みたいな使い方しやがって」と笑ってツッコんだケムリは、「僕は出たくないです」ときっぱりと言いながら、「けど、くるまくんが出ると言ったら出ます」と語りました。

出典: FANY マガジン
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