ぼる塾、4人での初めてのネタ合わせは正直ボロクソだった…【THE W決勝直前インタビュー】

“笑いの女王”を決める『女芸人No.1決定戦 THE W 2023』の決勝が、12月9日(土)に日本テレビ系で生放送されます。過去最多となるエントリー総数863組の中から決勝に残ったのは12組。今回はその中から、4人では初の決勝進出となったぼる塾(酒寄希望、きりやまはるか、あんり、田辺智加)のインタビューをお届けします!

出典: FANY マガジン
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今年で第7回を迎え、すっかりこの時期の恒例となった『THE W』。プロ・アマ問わず、芸歴や芸風、人数などの制限はいっさいなしに、純粋にネタの面白さだけで、女性芸人日本一の称号と優勝賞金1,000万円をかけて争う“異種格闘技戦”です。女性芸人全盛の時代と言われているいまだからこそ、そのハイレベルな戦いに注目度が年々増しています。

今年のファイナリストは、あぁ~しらき、エルフ(荒川、はる)、スパイク(松浦志穂、小川暖奈)、ハイツ友の会(清水香奈芽、西野)、はるかぜに告ぐ(一色といろ、とんず)、紅しょうが(熊元プロレス、稲田美紀)、変ホ長調(彼方さとみ、小田ひとみ)、ぼる塾(酒寄希望、きりやまはるか、あんり、田辺智加)、梵天(薪子、しおたむ)、まいあんつ、やす子、ゆりやんレトリィバァの12組。

ぼる塾の決勝進出は2020年以来2回目。出産と育児で舞台やテレビの出演から離れていた酒寄が復活し、4人では初めて決勝に挑むぼる塾に、「THE W」にかける思いや、4人になった強みを語ってもらいました。

子どもを産んで強くなった酒寄が復活!!

――まずは決勝進出おめでとうございます。

はるか 当然の結果だと思っていました〜!

あんり (はるかが)いちばん緊張していたけどね(笑)。はるちゃんを筆頭に「いつか『THE W』で優勝したいね」と遠い未来かのように話していたのに、まさかこんなに早く決勝が決まるとは……。そのために頑張ってきたのはあるんですけど、びっくりしています。

出典: FANY マガジン
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酒寄 3人では決勝に出ていたので、とにかく早く4人で決勝に行きたかったですし、(自分としても)目に見えるかたちで3人に追いつきたい気持ちが強くありました。今回、この4人で、3人時代のネタを超えて予選を突破できたのがすごく嬉しいです。

田辺 3人で決勝に行ったとき、酒寄さんも気持ちは一緒だったんですけど、その場にはいなくて。でも、いまはみんなの前に4人で立てる。世間の皆さんに4人のぼる塾を知ってもらえる機会ができて嬉しいですね。

――4人では初めて予選に挑んだわけですが、気持ち的には「決勝まで行ける」という思いだったのでしょうか。

あんり (はるかとの)日の目を浴びないコンビ(しんぼる)時代も経験しているので、「時間はかかるだろう」と思っていました。3人のネタも本当にたまたまできたもので、奇跡的にぼる塾としての下積みがなかったんですよ。だから、4人になるときに「初めて私たちは下積みを経験するんだ」「そんなに簡単にはいかないだろうな」と思っていて。じゃあ、どこかでダメになったときに、落ち込むだけではなくて、次へ向かう準備をしておこうと考えていました。
正直、決勝に行ける自信がありながらも、予選中は落ちたときのことも考えていましたね。だからこそ、この結果が出たときは「すごい!」「早い!」「びっくり!」「酒寄さんがいいネタ書きやがった!」と思いました(笑)。

酒寄 4人で初めてネタをしたとき、正直、ボロクソだったんです。漫才自体もまとまっていなかったし、私の技術力を含め、3人よりもすべてが劣っているのがわかって、すごくショックを受けました。

出典: FANY マガジン
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3人が優しい言葉をかけてくれるなか、自分としても「絶対に4人の面白いネタを作る」「早く追いつきたい」と気合いが入って、この1年はめちゃくちゃネタに向き合いましたね。ほかの人から見たらダサくうつるかもしれないですが、カッコ悪くてもいいから、面白くなるためにはなんでもしようって……。
そうして、4人の面白いネタを作って、早く決勝に行きたい気持ちがあった半面、今年、落ちていたら、ヤバかっただろうなとも思いますね。

あんり いま思えば、たとえばダメだったときに、酒寄さんをどうにかできる自分でいるために「落ちてもしょうがない側に行った」というのはあるかもしれません。酒寄さんがネタを書いているのですが、隣で見ていても「こんなにも向き合うんだ」と思ったし、スゴかったんですよ。酒寄さんは「追いつきたい」と言っていますけど、私たちからしたら「もう追い抜かれた」感じ(笑)。酒寄さんのネタ書きとしての姿勢、取り組み方が半端じゃなかったです。

はるか 酒寄さんは、いつもお世話になっている作家さんはもちろん、あまり話したことない作家さんにまで、「私たちのネタどうでしたか?」と積極的に聞いていたんですよ。遠くから見ていて「カッコいいな」と思っていました。

出典: FANY マガジン
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あんり 近くで一緒に聞けよ(笑)。この1年で、酒寄さんは、言葉だけじゃなくて、ちゃんと行動も伴う人だ、というのは、めちゃくちゃ感じました。ついていこうと思いましたね。

田辺 酒寄さんは、お子さんを産んでから、本当に強くなったと思います。むかしから芯はあって、お笑いに真っすぐだったんですけど、時折、心が折れるときもあったんですよ。いまは、くじけることがあっても、自分で立ち直る力があるというか。もちろん私も支えたい気持ちがあるんですけど、自分の足でしっかり立っているし、お笑いへの向き合い方も含めて「あら、この人はスゴいな。強いな」って思いますね。

「THE W」はワクワクする大会

――そんな酒寄さんが、お茶の間の皆さんに“見つかってしまう”ときがようやくきました。酒寄さんを初めて見る人も多いと思うので、どんな人か紹介してください!

田辺 メンバー愛がとにかく強い人。最初は「私たちが支えよう」と思っていたはずなのに、この数年、酒寄さんに支えられていることがすごくあって。みんなのいいところを見つけるのが本当に上手ですね。

はるか 楽屋で話しているときに、その場で盛り上がったひとつの流れをすぐ「X(旧・Twitter)に書いていい?」って、楽屋の会話をポストしてくれて、それが本になったりもするんです。記憶力がいいなと思います!

出典: FANY マガジン
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あんり 「記憶力を見てください」ってこと(笑)?
率直に言うなら、「まだわからない」です。たぶん今回のネタを見ても、まだ酒寄さんの魅力のすべてはわからないと思うんですよ。 で、私もまだわかっていない。まだわかっていないワクワク感があるからこそ、一生惹かれる人なんだろうなって思います。「ミステリアス」だとカッコよすぎるから、「なんなんだこの人は」というほうが近いかもしれないです。

酒寄 ご覧になる方は「なんなんだこの人は」と思うと思うんですけど、本当に皆さんの敵ではないので! 誰よりも皆さんの味方でいたいです。

――(笑)。4人にとって「THE W」は、どんな大会なんですか?

酒寄 ピン、コンビ、トリオ、カルテットによるネタの異種格闘技戦というか。漫才も、コントもピンネタもあって……。こんな大会、たぶん「THE W」でしかできないだろうなと思うし、こんなにも見る側も戦う側もワクワクする大会ってないと思いますね。

あんり 「4人で選んだ場所」みたいなところはありますかね。メディアで4人のネタをしたいと思ったときに、これ以外の選択肢がなかったです。

はるか 同性だからこそ「負けたくない」という気持ちがめっちゃあります。「どの女芸人よりも私たちがいちばん面白い」と燃え上がれる大会ですね。自分たちの存在を知ってほしいです。

出典: FANY マガジン
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田辺 やっぱり、各々のコンビ時代に出場はしていたけど、2回戦止まりというコンプレックスがありましたからね。何度もくじけてきた大会だったので、強い味方を増やして「コンビではできなかった壁を突破したい」という思いが強いです。

優勝したら4人で旅番組に出たい!!

――優勝したら、いままで以上にやりたいことができる環境になると思います。優勝後にどうなっていたいか、またはやってみたいことはありますか? 

田辺 『ぶらり途中下車の旅』(日本テレビ系)に出たいです。私、旅番組がめちゃくちゃ好きで、土日は絶対旅番組を見ているんですよ。「4人で旅番組」は私の生涯の夢かもしれない。

はるか それこそ、4人で地方に行って、美味しいものを食べたい。旅行みたいになっちゃうんですけど(笑)、それで4人で番組に出られたら嬉しいです。

あんり 「4人のネタを見たい」と、多くの人がぼる塾目当てで劇場に来てくれるような存在になりたいです。劇場でネタをやらせていただくときには、4人で舞台に立つのが当たり前になるのが私の夢です。

酒寄 「神保町よしもと漫才劇場」には立たせてもらっているんですけど、北海道、名古屋、大阪、福岡など、地方の劇場はほとんどないので、4人で立ってみたいです。地方の方にも、生で4人のネタを見せられる機会が増えたらいいなと思っています。

出典: FANY マガジン
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――最後に「THE W」決勝への意気込みをお願いします。

あんり 4人では、初めてメディアに出演するのですが、初めては1回しか来ないので、その1回で決めたいです。もう、それがいちばんいいから! これをもう1回やるってなったらしんどいから! 今年、優勝しちゃいたいです!(笑)

はるか 私はエントリーしたときからずっと「絶対4人だったら優勝できる」と思っていましたし、こういう取材でもずっと「4人で賞レース優勝したいです」と言ってきました。今年、4人で優勝して、みんなでお寿司を食べたいです!

酒寄 いままででいちばん多くの方に「4人のぼる塾のネタ」を見てもらえる機会だと思うので、まずはブロックを突破して、ネタを2本やりたいです。そして優勝したいです。

田辺 私は何かで「1番」になることがあまりなくて、努力もすごく嫌いなんですけど、4人でいれば頑張れる気がするので、みんなで「1番」を目指したいですね。あと優勝したら、副賞でおそらく『シューイチ』(日本テレビ系)に出させていただけると思うのですが、(レギュラー出演中の)KAT-TUNの中丸雄一さんに会えるんですよ。不純な動機ですけど頑張りたいです。

あんり いや、私たちも(田辺を中丸に)会わせるために頑張りますよ。

取材・文・写真:浜瀬将樹


『THE W 2023』公式サイトはこちらから。

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