ヤーレンズ【M-1グランプリ2023 決勝直前インタビュー】「賞レースで3年に1度はウケても落ちる。去年がちょうどその年だったので、今年が勝負」

2023-12-23 ニュースインタビュー

4分間に全力を注ぐ全国の若き漫才師たちの頂点を決める『M-1グランプリ2023』の決勝が、12月24日（日）にABCテレビ系で放送されます。過去最多となる8,540組がエントリーしたなか、ファイナリストに残ったのは9組。今回は、ヤーレンズ（楢原真樹、出井隼之介）の決勝直前インタビューをお届けします！

準々決勝でガチッとハマって…

――「M-1 グランプリ 2023」決勝進出を決めた今の率直なお気持ちをお聞かせ下さい。

出井隼之介　やっと決勝まで来られました。本当によかった。今年ダメだったら、どうなっていたかわからないので。

楢原真樹　お待たせしました。お待たせしすぎたのかもしれません。

出井　なに監督だかわかりませんが（笑）。準決勝の手ごたえ的に決勝に行ってもおかしくないと思えてはいたんですが、賞レースってわからないじゃないですか。なので名前を呼ばれて嬉しかったです。ライブの体感でウケの水準を自分たちで上げすぎてしまっていたのか、2～３回戦はそんなにウケた感じがしなかったんです。でも周りからはウケていたと言ってもらえる、という状態で戦っていて。それが準々決勝でガチッとハマってここまで来られました。

――今年のコピーが「爆笑が、爆発する。」ですが、これまでの戦いを振り返り「爆発した」と感じる瞬間はありましたか？　あれば、教えてください。なければ、「爆発する」のに必要なものは何だと思いますか？

楢原　正直2回戦、3回戦と、それこそ去年もあまり手ごたえを感じませんでした。うん、まあまあ……みたいな。でも今年の準々決勝はもう100％行けた！と思ったんです。出番終わりに楽屋で後輩に「行ける！　これは絶対行ける！」と言っちゃうくらいに。今年は優勝！と強く思っているのに2～3回戦があまりウケた感覚がなく、フラストレーションが溜まっていたので、ついみっともない感情を出してしまいました（笑）。

出井　何年もずっと準々決勝で落ちていたので、我々にとって鬼門だったんです。そこでこれは行けただろう！と思えるくらいウケたので、すごく自信になりました。爆発しましたね。

「令和ロマンには本当に感謝」

――「ファイナリストの中で自分たちが一番○○だ！」・・・「○○」に入るのは？
（自分たちの強み、持ち味はどこだと思いますか？）

楢原　「一番漫才」です。ネタでは勝てませんが、漫才では勝ちます。

出井　そうですね。みんないいネタをしてくると思うんですが、いい漫才をしているのはヤーレンズだと思います。

――ほかのファイナリストの中で意識しているコンビは？　それはなぜ？

楢原　ずっと一緒にやってきたモグライダーですね。1週間で8回一緒にライブに出たこともありましたから。劇場から劇場へ、一緒にハシゴして。モグライダーさん以外はみんな後輩なんです。それも5年以上離れているので、意識するとはちょっと違うというか……。

出井　かなり後輩なのでライバル視とは違いますが、令和ロマンとはこの1年、ずっと2組でM-1に向けたライブをしてきました。そういうツーマンライブをやっている組はたくさんいますが、その2組で決勝に行けることってあまりないので、本当にやってきてよかったです。

楢原　令和ロマンには本当に感謝ですね。彼らの方が人気があるし、こんなおじさんとよくライブやってくれたなって。ホントいいコたちなんです。どっちかがM-1を獲っても、来年もライブやろうと話しています。

出井　彼らからは学ぶことしかないですね。

――優勝賞金 1000 万円の使い道は？

楢原　ハワイに別荘を買い、車を買って、犬を2匹飼いたいです。残りは……。

出井　残らない。ハワイに別荘を買ったら、もう1円も残らないよ。僕は、半分は親に渡して、残りの半分でお世話になった人や後輩と飲みに行きたいです。これまでお金がなくて全然いけてないので、後輩をいっぱい連れていきたいです。

尊敬している先輩からの言葉

――今年の M-1 に臨んでいる中で、先輩芸人さんなど、さまざまな方からエールなど声を掛けられたと思います。今年贈られた言葉の中で、印象的だった一言はありますか？

楢原　誰からというわけではなく、「もう次はヤーレンズだろう」とはみんなに言われてきました。

出井　「大丈夫、大丈夫」ってめっちゃ言われたね。準決勝でやったネタをライブでやったときに（同じ事務所の）トム・ブラウンが見ていてくれて、2人ともが「これは良さそうだぞ！」と言ってくれたのが嬉しかったです。結果発表（決勝進出者発表）のときにも泣いて喜んでくれていて。

楢原　みちおが泣いてくれてるのは嬉しかったね。泣きそうになりました。事務所の先輩のハマカーン・浜谷さん（浜谷健司）がそのネタがまだ粗い段階のときに見てくれて、「“すごい”と“面白い”が両方あるのがいい。感心の先に“なんか面白い”がある」と言ってもらえたのも嬉しかったです。「THE MANZAI」のチャンピオンですし、めっちゃ尊敬している先輩なので。

――ゲン担ぎやジンクスはありますか？

楢原　いろいろやってみては、担げていないのですぐ止めてます。やっては止め、やっては止めの人生。なので、今はないです。

出井　僕はないですね。ゲン担ぎとか作ると、できなかったときにダメになりそうなので。ジンクスとしては、我々賞レースで3年に1度はウケても落ちるんです。去年がちょうどその年だったので、今年が勝負なのかなとなんとなく思っていました。

――M-1 グランプリ・決勝へ向けた意気込みを一言で！　そして、相方にも一言！

楢原　絶対優勝！　そして相方へは「口がくさすぎる！」。一度、ホントにくさすぎてセリフが飛びそうになったことがあるんです。それだけは勘弁してくれ。

出井　本番、楽しみにしておけよ！（笑）。

楢原　そうしたらお前の人生も終わるんだからな！（笑）。ここまではネタを全然楽しめていなかったので、決勝はホントに楽しみです。

出井　なんとでもなると思います、我々なら。相方のことを信頼しているので。