大阪・よしもと漫才劇場(マンゲキ)で2カ月ごとに行われる芸歴8年目以上の芸人たちによる頂上決戦『グランドバトルWEST』が、4月5日(土)に開催されました。第一部から第三部まで総勢65組の芸人たちがしのぎを削った熱い戦いの模様をレポートします。

第一部のトップはドーナツ・ピーナツ
マンゲキに所属する芸人は「翔(かける)メンバー」と「極(きわみ)メンバー」として活動しています。2025年4月から芸歴7年目以下が「翔メンバー」、芸歴8年目以上が「極メンバー」に変更されました。今回から、タイトルも「グランドバトルWEST」となります。
ネタ時間は1組4分で、順位は観客と審査員の投票で決定。第一部から第三部までの各回で1位から4位を選定し、第三部の最後にこの日の総合10位までが発表されます。
第一部のMCはタナからイケダ。「このバトルは、かなり厳しいですよ!」と池田周平が話すと、会場にも緊張感が漂います。そんな雰囲気を吹き飛ばそうと田邊孟徳が“声出し”を提案しますが、思っていた以上にお客さんの反応が薄く、たじたじに。その姿に笑いが起こり、和やかにスタートしました。
ネタバトルのAブロックは、オーサカクレオパトラ、ゴエモン、いつもたいしゃ、真輝志、牛ぺぺ、ダブルアート、豪快キャプテンの7組が登場。いつもたいしゃは先月までは翔メンバーでしたが、今年度から極メンバーになりました。
Bブロックは、超速バギー、シゲカズです、センリーズ、タチマチ、マグリット、ツートライブ、天才ピアニストの7組で、タチマチも新・極メンバーです。
休憩後、ステージに登場したタナからイケダ・田邊は「再開にあたって……」と切り出すと、「休憩で緊張の糸が切れたと思うので、もう一度、結び直したい!」と熱く叫びます。そして、「再開するけど緊張の糸」「結び直すぞー!」のコール&レスポンスで、再びバトルが始まりました。
Cブロックは、マンゲキへの所属をかけた若手芸人のオーディションライブ「UP TO YOU! サバイバルステージ」からの挑戦となる仲西ンとこをはじめ、武者武者、侍スライス、フミ、タレンチ、スナフキンズ、華山、ドーナツ・ピーナツの8組が登場し、会場を盛り上げました。

第一部の全組のネタが終わって、投票タイムへ。集計中は、コーナー「極限バトル!グラモネア」が行われました。
この日のブロック別の3チームによる対抗戦で、挑戦ジャンルは「一発ギャグ」や「モノマネ」など5つ。別チームから3人の判定員を選び、ファーストからフォースステージは判定員6人中4人が笑えばクリア、ファイナルステージでは判定員6人全員が笑ったらクリアとなり、制限時間は1ジャンル2分です。
ファーストステージでは、Aブロックチームは一発ギャグ、Bブロックチームはモノマネ、Cブロックチームはモノボケを選択。「パラレルワールドの女版・古畑任三郎」などオリジナルのモノマネを披露したツートライブ・周平魂が活躍したBブロックチームが勝利となりました。

セカンド、サードステージと続けようというところで、審査結果が出たためコーナーは途中で終了。「グランドバトルWEST」第一部の1位はドーナツ・ピーナツ、2位はダブルアート、3位は豪快キャプテン、4位は天才ピアニストでした。
1位で名前を呼ばれたドーナツ・ピーナツは、ステージに飛び出し、ドーナツが「やりました~!」と嬉しそうにコメント。ピーナツも「よっしゃー!」と雄叫びを上げます。2人は過去の「グランドバトル」でも総合1位を何度か獲得しているだけに、「総合優勝を狙っています!」と意気込みました。

第二部を制したのは20世紀
続く「グランドバトルWEST」第二部のMCはspan!の2人。
Aブロックはビーンズ、苺ちゃん、ルーデンス、セルライトスパ、イチオク、吉田たち、たくろうの7組で、それぞれに勢いを見せました。
Bブロックは、濱田祐太郎、愛凛冴、ぎょうぶ、イノシカチョウ、隣人、フースーヤ、千日前ゴールデンポップスの7組が会場を盛り上げます。
休憩後、MCのspan!が「グランド!」と叫ぶと、会場のお客さんが「バトル!」のコール&レスポンスするはずが、お客さんの1人が「WEST!」、続いてもう1人が「楽しみ~!」、そして最前列の男性が「わしも!」と、span!・水本健一の提案でどんどんセリフが増えていきました。
Cブロックには「UP TO YOU! サバイバルステージ」で勝ち上がった鈍器ノ様ナ者が登場。さらに、十手、ラビットラ、うただ、黒帯、祇園、ネイビーズアフロ、20世紀がネタを披露しました。

集計中コーナーの前に、鈍器ノ様ナ者に「グランドバトルWEST」の感想を尋ねたところ、寺尾巨神兵は「span!さんと、(声出しで)『わしや!』と言ったおじさんのおかげでやりやすかったです」と語ります。
コーナー「極限バトル!グラモネア」では、Aブロックチームが最初に選んだジャンルはモノマネで、最初にセルライトスパ・大須賀健剛が見せた高田延彦のモノマネでクリアしました。
Bブロックチームはモノボケを選び、フースーヤ・谷口理が先陣を切って、隣人・中村遊直と続き、イノシカチョウ・関本でクリアとなりました。Cブロックチームは難しいと言われるサイレントに挑戦。20世紀・しげがメインの無言の動きでクリアしました。第二部ではサードステージまでチャレンジし、Cブロックチームの優勝でした。
そしていよいよ結果発表。第二部の1位は20世紀で、しげは「総合1位取りたいです!」と宣言。2位はイノシカチョウ、3位は吉田たち、4位はうただでした。

ザ・布団がマンゲキメンバーへ昇格!
最後の「グランドバトルWEST」第三部のMCはビスケットブラザーズ。原田泰雅が体調不良のため、急きょ、きんが1人で務めました。きんは「(相方の)原田があまりにも不潔すぎて今日は来られないとのことで、僕1人で司会することになりました」と挨拶。
2024年まで「グランドバトル」総合優勝を目指して挑戦してきたビスケットブラザーズは、このバトルに懸ける芸人たちの思いを誰よりも理解している存在です。
Aブロックはガチャガチャ、盆と正月、翠星チークダンス、とくいち、鬼としみちゃむ、もも、しゅんすけの7組が登場し、会場を沸かせました。
Bブロックはモンスーンから始まり、カンフーカンフー、幸のとり、やまぐちたけし、チェリー大作戦、デルマパンゲ、マイスイートメモリーズという7組が、それぞれの個性を発揮。
Cブロックの前にビスブラ・きんは「もう終わりですからね、伸びをしてください」と客席に呼びかけ。あちこちから伸ばした腕が見えると、「ああ、いいですね! 塩水につけた貝みたいですね!」とツッコんでいました。
Cブロックは「UP TO YOU! サバイバルステージ」からザ・布団が登場。続いて、ナナ、茜250cc、カベポスター、丸亀じゃんご、パーティーパーティー、そしてこの日の大トリはダブルヒガシでした。

集計中のコーナーで舞台に全員が集合すると、ビスブラ・きんは「ナイスバトルでした!」と称えます。8回目の「グランドバトル」挑戦となるザ・布団の江原は、「いままでで、いちばん手ごたえがあったので、今日でもしダメだったら……」と暗い顔ですが、たっぷりタメたあとに「9回目を頑張ります!」と笑顔を見せて笑いを誘いました。
「極限バトル!グラモネア」のファーストステージは、Aブロックチームからスタート。ガチャガチャ・ジョージがやりたいという「一発ギャグ」にチャレンジしますが、何かと文句の多いAブロックチームにビスブラ・きんが「うるさいな!」と一蹴する一幕もありました。
「ショートコント」を選んだBブロックチームは、デルマパンゲ・広木英介とマイスイートメモリーズ・トランスフォーム福田の即興コントでクリア。「モノマネ」を選んだCブロックチームは丸亀じゃんご・安場泰介、ナナ・山根リチャード、ナナ・大二、パーティーパーティー・きむきむの順で挑戦し、クリアとなりました。
セカンドステージまで続いたところで終了し、「サイレントをクリアした」ことを高く評価するビスブラ・きんの独断でCブロックチームが優勝となりました。
そして第三部の結果発表です。1位はマイスイートメモリーズで、ステージに2人が飛び出しますが、よくよく見ると……花谷豊かと思いきや、盆と正月・ほしあられ。コーナーの前に盛り上げた一幕をここでも再現しました。
2位はパーティーパーティー、3位はザ・布団、4位は茜250CCでした。ザ・布団は今回、総合ランキング10位以内に入れば晴れてマンゲキメンバー入りとなります……。

そしていよいよ総合順位ベスト10の発表へと移ります。
1位に輝いたのはマイスイートメモリーズ! 花谷は「よっしゃー!」と声を上げ、今年度初のチャンピオンに「うれしいです!」と喜びを爆発させました。以下、2位20世紀、3位ドーナツ・ピーナツ、4位ダブルアート、5位イノシカチョウ、6位パーティーパーティー、7位豪快キャプテン、8位ザ・布団、9位吉田たち、10位うただ、という結果となりました。
これによって、ザ・布団はマンゲキメンバーへの所属が決定。2人は、ビスブラ・きんや、マイスイートメモリーズと抱き合って喜び、「よしもと漫才劇場所属のザ・布団です」と改めて挨拶します。そんな2人に、きんも「原田もめっちゃ喜んでいると思う」と、笑顔で声をかけていました。


『グランドバトルWEST』の模様は、第一部、第二部、第三部それぞれ4月12日(土)23:59までオンラインで見逃し視聴ができます(チケット販売は同日正午まで)。その期間の好きなタイミングでFANYIDメンバーは24時間/プレミアムメンバーは72時間、見逃し視聴をお楽しみいただけます。
FANYオンラインチケット(配信)はこちらから。