未来の映画界を担う子どもたちが活弁や演技にチャレンジ 『片岡一郎弁士の子ども活弁教室』『辻凪子と堀川絵美の子ども演技教室』開催

10月13日(金)~10月15日(日)の3日間、よしもと祇園花月をはじめとした京都市内の各会場にて「京都国際映画祭2023」が開催さています。今年の京都国際映画祭では、当映画祭の名誉実行委員長を長年務められた中島貞夫監督の追悼上映をはじめ、映画上映や舞台挨拶、アート作品の展示やオンライン企画なども同時に展開し、映画もアートもその他も全部お楽しみいただける内容となっていました。

最終日の15日(日)、ヒューリックホール京都では、クリエイターズ・ファクトリー企画のワークショップが行われました。午前中は『片岡一郎弁士の子ども活弁教室』が開催され、子どもたち14人がおよそ2時間のワークショップに参加しました。

昔の日本では映画を「無声映画×弁士による語り×生演奏」というスタイルで楽しんでいました。映画は「活動写真」、活動写真弁士のことや活動写真と弁士付きの公演は「活弁」と呼ばれて人気を博しました。時は流れて令和の時代、無声映画をより分かりやすく語る弁士に再び脚光が当たっているといいます。

このワークショップは、活弁の第一人者である片岡一郎弁士を講師に、ピアノ奏者の天宮遥さんを迎えて、子どもたちに活弁のおもしろさを体験してもらうというもの。MCは、活弁イベントに数多く出演しているこがけんが務めました。

個性爆発!子どもたちによるアドリブ盛りだくさんの活弁

出典: FANY マガジン
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まずは無声映画『チャップリンのお手柄』と、紙フィルムのアニメーション『スタコラサッチャン大手柄の巻』を鑑賞。片岡弁士の迫力満点の活弁と、シーンにぴったりの天宮さんによるピアノ演奏を目の当たりにし、子どもたちは「起承転結ができているのがすごい」「(キャラクターによって)いろんな声が出ていた」と興味津々です。

いよいよ子どもたちも活弁に挑戦です。課題映像は『日本一 桃太郎』と『お父さんの火星探検』。
先にこがけんがお手本として『お父さんの火星探検』の活弁をすることに。天宮さんに「音楽はコミカルな感じ」とリクエストし、火星探検のストーリーを人気ゲームになぞらえる創意工夫に富んだ活弁で、子どもたちは大笑いです。
30分間の練習タイムでは、子どもたちは2人一組になり、タブレットで映像をチェックしながら台本にメモを書き込んだり、楽器で効果音を鳴らす練習をしたりと、真剣そのもの。

出典: FANY マガジン
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いよいよ発表の時。『お父さんの火星探検』の活弁では、台本を見ずに見事なしゃべりを繰り広げ、それに合わせてもうひとりが効果音を入れる息ぴったりのコンビや、演者とナレーションに役割分担して以心伝心の活弁で盛り上げた双子の姉妹も。また、オリジナルストーリーをきっちり組み立てて挑んだふたりを、片岡弁士とこがけんは「よくできている!」と絶賛していました。

『日本一 桃太郎』に挑戦した子どもたちは、もともとのセリフに演出を重ねて工夫を出したコンビや、『桃太郎』のストーリーをオリジナリティたっぷりの活弁に仕上げたふたりもいました。

講師の辻凪子監督と堀川絵美も大喜び!

出典: FANY マガジン
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午後からは、『辻凪子と堀川絵美の子ども演技教室』が開催され、子どもたち18人がワークショップに参加。午前中に行われていた『片岡一郎弁士の子ども活弁教室』にも参加していた子どもも多く、映画への関心の高さがうかがえます。

講師は、活弁映画『I AM JAM ピザの惑星危機一髪!』の監督で女優の辻凪子さんと堀川絵美。そして映画プロデューサーの古賀俊輔さんを校長に迎え、子どもたちに演技の楽しさを伝えていきます。

まずは、辻監督の活弁映画『I AM JAM ピザの惑星危機一髪!』のワンシーンをみんなで鑑賞することに。子どもたちの「おもしろい!もっと観たい」という感想に「うれしいわぁ~、ありがとう!」と笑顔の辻監督でした。

子どもたちがチャレンジするのは「金の斧と銀の斧」のシーン。そして焚き火のシーンに出てくる「ジェスチャーで相手に伝える」という難しいお芝居です。先に辻監督と堀川が、お手本としてステージ上で演技をしてみせました。
練習に入る前に、全員で楽しいウォーミングアップ。ジャンプや発声、早口言葉で心と体をほぐします。15分間の練習では、子どもたちは2人一組のペアになってセリフをチェックしたり、何度も稽古をするなどとても積極的。その後の発表会では、みんなの演技をムービーカメラで撮影し、スクリーン鑑賞しました。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

活弁、演技を通して、子どもたちの創造力や積極性が引き出された、笑顔の絶えないワークショップとなりました。

「京都国際映画祭」は2014年より「京都映画祭」から引き継いだ伝統と志を重んじ、「映画もアートもその他もぜんぶ」をテーマに「新しいモノ・コト」にも積極的に取り組んできました。第7回からは柔軟に形を変えてオンラインとリアルの良さを併せもつ、ハイブリッドの映画祭として開催しています。

『京都国際映画祭2023~映画もアートもその他もぜんぶ~』

開催期間:10月13日(金)~15日(日)
場所:よしもと祇園花月、京都市京セラ美術館、京都国際マンガミュージアム、おもちゃ映画ミュージアム、ほか

『京都国際映画祭2023~映画もアートもその他もぜんぶ~』HPはコチラ

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