愛すべき「ちゃんばら」の魅力を深く考察! 中島貞夫監督追悼上映『時代劇は死なず ちゃんばら美学考』&トークイベント開催

10月13日(金)~10月15日(日)の3日間、よしもと祇園花月をはじめとした京都市内の各会場にて「京都国際映画祭2023」が開催されています。今年の京都国際映画祭では、当映画祭の名誉実行委員長を長年務められた中島貞夫監督の追悼上映をはじめ、映画上映や舞台挨拶、アート作品の展示やオンライン企画なども同時に展開し、映画もアートもその他も全部お楽しみいただけます。14日(土)には、よしもと祇園花月で、中島貞夫監督追悼上映『時代劇は死なず ちゃんばら美学考』&トークイベントが行われました。

全編にちゃんばら愛が溢れたドキュメンタリー

京都国際映画祭名誉実行委員長として映画祭を牽引してきた中島貞夫監督。『時代劇は死なず ちゃんばら美学考』は、半世紀以上にわたり京都で映画キャリアを積み重ねてきた中島監督が、京都で作られた時代劇(ちゃんばら)を映画人として内部から考察。その魅力について殺陣師や俳優、映画研究家、評論家などへインタビューを行うドキュメンタリーパートと、監督指導のもと作られたオリジナルちゃんばらシーンをメイキングとともに紹介し、ちゃんばらシーンがどうやって作られていくのかを追うとともに、完成した本編で締めくくった作品です。中嶋監督自身が京都の地で日本映画の歴史をたどっていく序盤から銀幕スターたちの映像と専門家らの貴重な話が楽しめる中盤、そしてそれぞれが様々に『ちゃんばら』について語る終盤、さらにエンディングの殺陣まで、時代劇愛が全編にあふれていました。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

監督を知る人々が貴重なエピソードをトーク

上映後には、中島貞夫監督の愛弟子といえる編集の米田武朗氏、作曲家の栗山和樹氏、脚本家の谷慶子氏、映画監督の熊切和嘉氏が参加してのトークイベントを開催。MCはこがけんが務めました。

まずこの作品について、谷氏は中島監督から突然電話がかかってきて「やれ!」と言われたと明かすと、米田氏は「時代劇に関する論文を書くつもりで編集してくれと言われ、大変緊張した」と話し、今までで最も脳みそを酷使して編集した作品と振り返りました。そこから各自が初めて中島監督に出会ったころの思い出や監督においしい鍋を作ってもらったこと、毎年正月にスタッフや学生を集めて大宴会があったことなど、監督に親しいメンバーだからこそのレアなエピソードも続々。最後に米田氏は「監督はみんなの心のなかにしっかりと生きていると思うので、その炎を絶やさずに自分も精進していきたい」と締めくくりました。

「京都国際映画祭」は2014年より「京都映画祭」から引き継いだ伝統と志を重んじ、「映画もアートもその他もぜんぶ」をテーマに「新しいモノ・コト」にも積極的に取り組んできました。第7回からは柔軟に形を変えてオンラインとリアルの良さを併せもつ、ハイブリッドの映画祭として開催しています。

『京都国際映画祭2023~映画もアートもその他もぜんぶ~』

開催期間:10月13日(金)~15日(日)
場所:よしもと祇園花月、京都市京セラ美術館、京都国際マンガミュージアム、おもちゃ映画ミュージアム、ほか

『京都国際映画祭2023~映画もアートもその他もぜんぶ~』公式HPはこちら

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