10月13日(金)~10月15日(日)の3日間、よしもと祇園花月をはじめとした京都市内の各会場にて「京都国際映画祭2023」が開催されています。今年の京都国際映画祭では、当映画祭の名誉実行委員長を長年務められた中島貞夫監督の追悼上映をはじめ、映画上映や舞台挨拶、アート作品の展示やオンライン企画なども同時に展開し、映画もアートもその他も全部お楽しみいただけます。
10月14日(土)、京都国際マンガミュージアムにて地域発信型映画「なんでかね~鶴見 ~ガーエーにはまだ早い~」が上映され、舞台挨拶に川田広樹(ガレッジセール)、三崎千香、渡辺熱監督、そしてMCにゴリ(ガレッジセール)が登壇。エイサー、そして沖縄市と横浜市鶴見区の両地域の魅力を発信していく映画について、撮影を振り返りながら語りました。
沖縄の伝統芸能であるエイサーをモチーフにした本作の舞台は横浜市鶴見区。鶴見区には大正時代から沖縄にルーツを持つ人々が集い、独特の文化を醸成。今では関東にありながら「沖縄以上に沖縄が感じられる街」としても知られています。区内の仲通り商店街では毎年夏にエイサーと共に練り行列の「道じゅねー」が行われ、夏の風物詩にもなっています。劇中には沖縄で1、2位を争うというエイサー団体・園田青年会の人々も登場、彼らによる迫力あるエイサーも見どころのひとつです。
鶴見はユニークでディープな街
映画は「だからよ~鶴見」に続く第2弾として制作。鶴見区にこだわった理由をゴリが尋ねると「関東にある大きな沖縄タウンで、かつ南米から戻ってきたうちなんちゅ(沖縄出身者)も住んでいるユニークな街だから」と渡辺監督。撮影のほとんどは鶴見区でおこなわれ、街の魅力を三崎は「なぜだか懐かしい雰囲気を感じられる不思議な街です」と紹介。川田も「沖縄本島以外にも宮古島や八重山地方の方言が飛び交っていて、ディープなうちなんちゅがいっぱいいます。沖縄県以外で角力(沖縄相撲)をやっている地域も鶴見区だけなんです」と続けました。
エイサーの迫力を臨場感たっぷりに表現
印象に残ったシーンを尋ねると三崎は、「初めて映画で観たときはぐっと来ました」とクライマックスの「道じゅねー」のシーンを上げました。鶴見区の住宅街で撮影した臨場感ある場面ですが、夕方から夜間にかけて沖縄民謡を歌い、太鼓を鳴らし、声も上げなければならず、撮影は苦労の連続だったそうです。そんな裏話を振り返りながら、迫力ある「道じゅねー」での「ガーエー」(踊り合い対決)がどのように作られていったか渡辺監督が明かしました。
映画のコンセプトは 「故郷(沖縄)」「人情(チムグクル)」「未来へ」。「ご先祖様がいて自分がいることを再確認できて、チムグクルを感じられる素敵な作品です」と川田。三崎も「うちなー魂がぎゅっと詰まっています」と笑顔でPR。渡辺監督も「一人でも多くの人に観てほしい」と呼びかけ、鶴見区発の新たな“うちなー映画”をアピールしました。
「京都国際映画祭」は2014年より「京都映画祭」から引き継いだ伝統と志を重んじ、「映画もアートもその他もぜんぶ」をテーマに「新しいモノ・コト」にも積極的に取り組んできました。第7回からは柔軟に形を変えてオンラインとリアルの良さを併せもつ、ハイブリッドの映画祭として開催しています。
『京都国際映画祭2023~映画もアートもその他もぜんぶ~』
開催期間:10月13日(金)~15日(日)
場所:よしもと祇園花月、京都市京セラ美術館、京都国際マンガミュージアム、おもちゃ映画ミュージアム、ほか
『京都国際映画祭2023~映画もアートもその他もぜんぶ~』公式HPはこちら