万博で『東京ブギウギ』熱唱! 舞台で“昭和の歌姫”笠置シヅ子演じる神野美伽がアシタ広場に登場

開幕から2カ月経過し、総入場者数が900万人を突破した大阪・関西万博。どのパビリオンも連日、多くの来場者でにぎわっていますが、「よしもとwaraii myraii館」も大盛況! 「アシタ広場」では、盆踊りにカラオケやダンスを融合させた、新しいエンターテインメント「盆踊りのアシタ」を毎日開催して、夜の万博を盛り上げています。6月24日(火)には演歌歌手の神野美伽が出演し、会場を沸かせました。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

黄色いワンピース姿で登場!

「盆踊りのアシタ」では毎日、芸人がMCを務め、一般の参加者が披露するカラオケの歌声に合わせて、来場者がひとつになって踊りを楽しみます。この日のMCはザ・プラン9の浅越ゴエとヤナギブソン。レギュラー出演している滋慶学園ダンサーズのダンスや、一般参加者たちが自慢ののどを聴かせてステージがあたたまったところで、神野の登場です。

黄色いワンピースに身を包んでステージに姿を現した神野。昭和の歌謡史を駆け抜けた歌姫、笠置シヅ子の代表曲『東京ブギウギ』を歌うことを伝えると、会場から拍手と歓声が起こります。

神野は、8月1日(金)から東京・IMM THEATERで、5年8カ月ぶりの再演となる「『SIZUKO! QUEEN OF BOOGIE』~ハイヒールとつけまつげ~」をスタートさせます。黄色いワンピースは、その舞台衣装です。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

イントロが始まると会場は手拍子でレスポンス。ステージ上のダンサーも、ブギのリズムにのせてダンスで盛り上げます。その歌声は、さすがのひと言。万博の夜空に美しい声を響かせてくれました。

歌い終わった神野は「楽しんでくれましたか!」と会場に呼びかけながら、「アンコールはけっこうです」と笑わせるひと幕も。8月の舞台では19曲歌うとのことで、「すごく楽しみにしてますので、お越しいただきたいです!」とアピールしました。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

「万博でカラオケって誰が考えたの?」

ステージ後の神野に話を聞きました。

――「盆踊りのアシタ」に参加してみていかがでしたか?

すごく楽しかったです、単純に。心配していたのは、お天気。それと同じくらい心配していたのが、私の舞台のメイクとウィッグと衣装で出ていって、お客さんが引かないかって(笑)。でも、大丈夫でしたね。

おもしろかったのは、(お客さんのなかに)演歌を歌う人もいて、それで若い人も踊ってて、本当に盆踊りの原型。「万博でカラオケって誰が考えたの?」と思ってたけど、日本人のDNAなのか、どんな歌でも盆踊りはできるというのを実際に見て、感動的でした。すばらしい企画やと思いました。なので、また機会があったら(笑)。

――8月に舞台が再演されますが、意気込みをお願いします。

6年前に大阪で初演して、もう一度やりたいと思っていました。念願というより、悲願に近いもので、6年間という長い時間かかってやっとという思いもあるけれど、いますごく「よかった!」と思っています。

一公演で、普通のコンサートと同じくらいの19曲の歌を芝居しながら歌っていくのは、体力的にも精神的にもすごくきびしいものだけど、6年のなかで、自分のなかに歌が入り込んだっていう実感がすごくあるんです。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

もし、初演が終わってすぐの再演だったら、あまり変わっていなかったと思います。初演では、「笠置シヅ子さんになろう、近づこう」と演じて、歌っていたけれど、今回は、自分の歌として歌うだろうと思います。お客さまの前に出てみないとわからないけど、自分でも楽しめたらなと思っています。

いつの間にか「神野美伽のライブ」に

――見どころを教えてください。

この舞台、ぜんぶ実話なんですよ。本当に笠置さんって、まるでお芝居みたいな人生を送ってこられた方で。やはり、戦争の影響はとても大きかったと思います。そのなかでも特に印象的なのが、第1部の最後で歌う「大空の弟」という曲です。

これは戦争で弟さんを亡くして気落ちしている笠置さんを励ますために、服部(良一)先生が作った曲なんです。皆さん、曲の存在はなんとなく知っていたけど、実際に聴いたことがある人って、誰もいなかったんですよね。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

前回の舞台のとき、スタッフと一緒に、服部先生の曲をぜんぶ保管している場所に、楽譜をお借りしに行ったら、なんと先生の直筆譜が出てきて! 「えっ、もしかしてこれ……?」となって、それを(音楽監督の)小原孝さんが音に起こしてくれて。

だから今回、誰も聴いたことがなかった曲を舞台で歌うことになったんです。ある意味、見せ場だと思います。あと、戦争がどれだけの“悲しみ”とか“つらさ”を人に与えるのか、この歌が物語ってくれています。

第2部のラストでは、(俳優・演出家の)白井晃さんがすごくいい演出をしてくれました。衣装も芝居のままなんですけど、いつの間にか私本人、“神野美伽のライブ”になってるという、そういう作りにしてくれているんです。

去年、念願だった笠置さんの曲だけのアルバムを出すこともできたんですが、ライブの部分では初演で歌わなかった曲も入れてみようということで、プラスアルファで歌っていきます。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

笠置シヅ子の歌の「生命力」を表現できたら

――初演と比べて、すごくブラッシュアップされているんですね。

やっぱり再演って、前よりよくなってなきゃ、と思うんです。だから、前回のいいところは残しつつ、それ以上に伝わるものにしたくて。ずっとやりたかったことだし、「念願でした」と言うのは簡単なんですけど、実際はプレッシャーがすごいです(笑)。

稽古ももうすぐ始まるんですが、恐怖(笑)。私がこんなことを言うてたらあかんのですが、かなり追い詰められてる感じで……。しかも、休みなしで15公演をこなすのは、体力的にもかなり怖い。普通ならダブルキャストにするような公演ですけど、「やる!」と決めたからには、やり切ります(笑)。

――では、最後にファンへのメッセージをお願いします。

最近、戦争のニュースが毎日、流れてくるじゃないですか。そんないまだからこそ、戦時中を生き抜いた笠置さんの歌って、「生命力」を感じるんですよ。ご本人が生きるエネルギーの塊のような方で、そのエネルギーは、いまの時代にも必要だと思うし、それを私なりに表現できたらいいなと思っています。観に来てくれた人たちと、それを一緒に感じられたらうれしいです。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

この舞台は、世代は関係ない内容だと思います。初演のときは、世代によっては「笠置シヅ子って誰?」とか、「東京ブギウギって何?」という人も多かったんですけど、NHK朝ドラのおかげで(認知が広がって)、最近では、私のジャズコンサートで「次は何を歌いましょうか」と聞いたら、子どもの声で「ラッパと娘!」って。こちらがビックリ(笑)。再演のときも、こういう方たちが来てくれたらうれしいですね。そういうところも期待しています。

公演概要

『SIZUKO! QUEEN OF BOOGIE』~ハイヒールとつけまつげ~
日程:8月1日(金)~8月11日(月)
場所:IMM THEATER
(東京都文京区後楽1丁目3-53)
チケット:一般席 9,800円/U-25席 6,800円/ペア席 9,300円
チケット販売:FANYチケット
脚本:マキノノゾミ
演出:白井晃
音楽監督:小原孝
企画・プロデュース:尾中美紀子/オフィス100%
【キャスト】
神野美伽
加藤虎ノ介 福本雄樹 九条ジョー 鈴木杏樹
詳細は公式ホームページ等をご確認ください。

公式ホームページ(https://sizukoboogie.yoshimoto.co.jp
FANYチケットはこちら